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慢性肝障害

慢性肝障害とは

慢性肝障害とは、肝臓に長期間(通常6か月以上)にわたって持続的な炎症や障害が続く状態を指します。肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、障害があっても初期には自覚症状が出にくい臓器と言われています。そのため、気づかないまま病状が進行し、肝硬変や肝がんといった深刻な病態に至ることも少なくありません。慢性肝障害の代表的な原因としては、B型・C型肝炎ウイルス、アルコールの過剰摂取、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/MASLD)、自己免疫性肝炎、薬剤性肝障害などが挙げられます。慢性肝障害が進行すると、肝細胞が破壊され、肝臓内に線維化(硬化)が生じ、最終的には肝硬変や肝がんへと進行するリスクが高まります。そのため、早期発見と早期治療が非常に重要となります。

慢性肝障害の
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慢性肝障害の症状

慢性肝障害の初期段階では、ほとんど自覚症状が現れません。そのため、健康診断で肝機能の異常を指摘されるまで気づかないケースが大半と言われています。異常値として現れるのは、ASTやALTといった肝細胞から漏れ出す酵素の数値であり、これらが慢性的に高い状態が続くことが慢性肝障害の一つのサインとなります。慢性肝障害が進行するにつれて、徐々に全身倦怠感や疲労感、食欲不振、吐き気といった症状が現れる場合もあります。さらに、病状が悪化すると、皮膚や眼球の白目が黄色くなる黄疸や、皮膚のかゆみ、手足のむくみ、腹部膨満感などが見られることもあります。

慢性肝障害の原因

慢性肝障害を引き起こす原因には、さまざまなものがあります。

ウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎は、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染し、ウイルスが体内に長くとどまり続けることで、肝臓に炎症が繰り返し生じ、やがて組織が破壊され、線維化が進行する病気です。特にC型肝炎は、発症しても軽微な症状しか出ないため、感染に気づかないまま何十年も過ごしてしまうことが少なくありません。そのため、診断された時にはすでに肝硬変や肝がんに進行してしまう可能性もあります。

アルコールの過剰摂取

アルコールの過剰摂取もまた、慢性肝障害の原因として知られています。飲酒量が多い状態が長期間続くと、肝細胞内に中性脂肪が蓄積されて脂肪肝となり、さらに肝炎を引き起こし、進行するとアルコール性肝線維症や肝硬変が発症してしまいます。一方で、アルコールを全く摂取しない人でも、生活習慣の乱れによって脂肪肝となり、それが炎症を伴って進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH/MASH)を発症する場合もあります。

免疫システムの異常

自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎のように、免疫システムの異常により肝臓が攻撃されて炎症が持続することで慢性肝障害を引き起こす場合があります。

自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎とは、自分の免疫機構が誤って肝臓の細胞を攻撃してしまうことによって引き起こされる慢性の肝疾患をいいます。自己免疫性肝炎は、明確な原因はまだ解明されていませんが、女性に多く、発症年齢は中高年が中心と言われています。また進行すると肝硬変へ至るリスクがあるため、早期の診断と治療が重要となります。自己免疫性肝炎の症状は疲労感、関節痛、黄疸などがあります。

原発性胆汁性胆管炎

原発性胆汁性胆管炎は、主に肝臓内の細い胆管が慢性的に障害され、胆汁の流れが悪くなり、やがて肝臓に炎症や線維化を引き起こす自己免疫性の病気です。原発性胆汁性胆管炎は、中高年の女性に多い病気と言われています。初期にはほとんど自覚症状がなく、病気が進行すると全身のかゆみや倦怠感、黄疸、脂肪便などが現れると言われています。

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慢性肝障害の診断方法

慢性肝障害の診断には、血液検査や超音波検査を行います。

血液検査

慢性肝障害の診断には、まず血液検査によって肝機能を評価することが重要です。血液検査では、AST・ALT・γ-GTP・ALPの数値を併せて確認することで、肝臓に機能に異常がないかを確認します。

腹部超音波検査

腹部超音波検査(腹部エコー)は、慢性肝障害の診断や経過観察において重要な検査となります。腹部超音波検査は、痛みがなく、被ばくの心配もない安全な検査と言われており、肝臓の形状、サイズ、表面の凹凸、内部構造の異常などを視覚的に把握することができます。また、脂肪肝の有無や程度、腫瘤や結節の有無、門脈や胆道の状態なども確認することができます。慢性肝障害が進行し、肝硬変の段階になると、肝臓の表面が凹凸になったり、脾臓の腫大や腹水が見られることがあります。また、腹部超音波検査は肝がんの早期発見にも役立つため、肝がんのリスクが高い患者様に対しては定期的な超音波検査が推奨されています。

腹部エコー検査の
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慢性肝障害の改善策

慢性肝障害を改善するためには、原因を正しく理解することが重要です。

B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎に対しては、ウイルスの増殖を抑える核酸アナログ製剤や直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)が使用されます。アルコール性肝障害では、禁酒が何よりも重要となります。非アルコール性脂肪性肝疾患に対しては、生活習慣の改善が重要となります。

生活習慣の改善

生活習慣の改善では、体重の管理、適切な食事指導、定期的な運動の実践が求められます。糖質や脂質の過剰摂取を避け、野菜や魚中心の食事に切り替えることで、肝臓の脂肪蓄積を減らし、炎症を和らげる効果が期待できます。さらに、禁煙やストレスの軽減といったライフスタイル全体の見直しも、肝機能を守る上で欠かせません。また、治療中は定期的に血液検査や腹部超音波検査を行い、病状の進行や合併症の有無を確認する必要があります。

腹部エコー検査の特徴

1. 日本肝臓学会専門医による腹部エコー検査

当院では、日本肝臓学会専門医が腹部エコー検査を担当しています。肝臓疾患に精通した専門医が腹部エコー検査を行うことで、脂肪肝や肝硬変、肝腫瘍などの病変も見逃すことなく、的確に評価することが可能となります。

2. 侵襲性の低い腹部エコー検査

腹部エコー(腹部超音波)検査は、体に負担をかけずに肝臓・胆のう・腎臓・膵臓などを観察できる検査となります。放射線による被ばくもなく、痛みも伴わないため、妊娠中の方やご高齢の方にも安心して受けていただけます。気になる症状がある方は、腹部エコー検査をおすすめしています。

3. 土日の腹部エコー検査

平日お忙しい方にもご受診いただけるよう、当院では土日にも腹部エコー検査を実施しています。事前予約制で待ち時間も少なく、スムーズな検査が可能となります。平日はお仕事や家事で時間が取れない方もお気軽にご相談ください。

4. 最新の腹部エコー機器を導入

当院では、高性能な最新の腹部エコー機器を導入しています。微細な病変も捉える高解像度の画像により、高精度の診断が可能となります。また、リアルタイムでの観察や血流評価も可能となり、より的確な診療へとつながります。

5. 胃カメラ検査と腹部超音波検査の同日実施

当院では、胃カメラ検査と腹部エコー検査を同日に受けていただける体制を整えています。一度の来院で複数の検査を終えることができ、また食事制限も1回で済むメリットがあります。そのため、患者様の時間的・体力的負担を軽減することが可能です。

慢性肝障害でお悩みの方へ

慢性肝障害は、長期にわたり肝臓にダメージが蓄積することで、やがて肝硬変や肝がんへ進行する可能性のある病気です。慢性肝障害の原因にはウイルス性肝炎、脂肪肝、自己免疫性疾患、薬剤性などがあり、原因は多岐にわたります。そのため、定期的な血液検査や腹部エコー検査によるチェックが非常に重要となります。気になる症状や健康診断の異常をきっかけに、肝臓専門医のいる当院までお気軽にご相談ください。

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